症状・合併症

初期の症状は下痢が続いたり、逆に便意を催しても便が出ないといった状態(しぶり)が続きます。症状が進むにつれて便に血や粘液が混ざるようになります。さらに進行すると、粘血便の量が増え、腹部に激しい痛みを伴うようになります。また、微熱が続き下がらなかったり、関節炎等の合併症が出る人います。

病気が進行し、最も悩まされるのが腹痛とトイレの問題です。症状が悪化すると一日に数十回も腹痛に襲われ、同時に強烈な便意を催すので、常にトイレを意識する必要に迫られ外出が困難になり、社会生活を送れなくなります。このような場合には医師に精査してもらい、入院等の適切な処置を受けましょう。

一方、症状が落ち着いてきているにもかかわらず、頻繁に便意を催すようになる人もいます(逆に便秘になる人もいます)。これは炎症の後遺症により腸管に張りが無くなっているのが原因です。この症状は長く続くことがあるようですが、出血していなければ問題ないので、腸の張りが戻るまで気長に頑張りましょう。

 

病期の分類:活動期・緩解期

 

一般に病気は活動期と緩解(かんかい)期を繰り返します。活動期とは下血等の症状が見られ、内視鏡的に血管透見像の消失、易出血性、びらん、または潰瘍などを認める状態です。緩解期とは血便が消失し、内視鏡的には活動期の所見が消失し、血管透見像が出現した状態です。緩解期から活動期になることを再燃といい、活動期から緩解期になることを緩解と言います。

活動期と緩解期の周期は人によって異なります。長期間活動期で、緩解期が僅かしか維持できない人もいれば、数年に渡って緩解期を持続する人もいます。どのようにすれば緩解期を持続できるかは不明ですが、多くの人の場合、ストレスをかけたり、過労や風邪等で体調を崩すと再燃することが多いようです。できる限り規則正しい生活を送り、体調管理に心がけましょう。

 

病変の拡がりによる分類

 

大腸は(肛門)−直腸−S字結腸ー下行結腸−横行結腸−上行結腸−(小腸)という構成になっています。主に病変は全大腸炎型、左側大腸炎型、直腸炎型の3つに分類され、直腸炎型から始まり、病気が進行するにつれて、左側大腸炎型、全大腸炎型と言う具合に肛門側から順番に炎症が広がっていきます。逆に症状が良くなるときは小腸側から落ち着いてきます。

直腸炎は病変が直腸やS字結腸のみに留まるものです。左側大腸炎型は病変が直腸から横行結腸中央にまで広がるもの、全大腸炎型はその名の通り、大腸全域に病変が広がるものです。
因みにクローン病は順番に炎症が広がらず、大腸全体にスキップしながら炎症が発生します。しかし潰瘍性大腸炎でも希にスキップして炎症が発生することがあるので、この場合は診断をつけるのが難しくなります。

基本的に潰瘍性大腸炎がクローン病になることはほとんどありません。ただし、クローン病であったが潰瘍性大腸炎と診断されていて、しばらくしてからクローン病に診断が変更になるケースがあります。

 

重傷度による分類

 

重傷度による分類は軽症、中等症、重症、劇症の4つに分けられます。このうち劇症は重篤な合併症に注意しなければなりません。

軽症 下痢の回数が一日4回以下で血便の程度が軽く、全身症状がない
中等症 軽症と重症の中間
重症 下痢の回数が一日6回以上で血便の程度が強く、37.5℃以上の発熱、貧血などの症状がある
劇症 下痢の回数が一日15回以上の血性下痢、38℃以上の発熱、白血球数の異常をしめすもの

 

臨床経過による分類

臨床経過による分類は再燃緩解型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型の4つに分けられます。

再燃緩解型 よくなったり悪くなったりを繰り返し、経過に波があるタイプ。患者全体の70%
慢性持続型 一度悪くなった症状が6ヵ月以上にわたって続くタイプ。患者全体の20%以下
急性激症型 40度くらいの熱、一日20回以上の下痢など急激な症状が出て、急激な経過をたどるタイプ。患者全体の2~5%とごくまれ。
初回発作型 最初のみ症状が出て、その後は症状が出ないタイプ。

 

合併症

 

腸の炎症・潰瘍以外にも以下のような合併症を伴う場合があります。

■腸管合併症

  1. 狭窄(きょうさく):炎症を繰り返すことで腸管が細くなってしまう
  2. 穿孔(せんこう:炎症が大腸の筋層まで及び、穴があいてしまう)
  3. 瘻孔(ろうこう):潰瘍が深いところまで及び、隣接する臓器に異常な通路ができてしまう
  4. 中毒性巨大結腸症(急激な炎症で大腸の動きが止まってしまい、大腸内に毒素やガスがたまって、大腸が風船のようにふくらんでしまう)

■腸管外合併症

  1. アフタ性口内炎:口内にできる痛みを伴う潰瘍ができる
  2. 関節炎・関節痛:四肢、仙腸関節、強直性脊椎炎 数%程度
  3. 肝障害:脂肪肝、胆管周囲炎、肝硬変
  4. 眼病変:結膜炎、虹彩炎 頻度としては1%程度
  5. 皮膚病変:壊疽性膿皮症、乾癬
  6. 結節性紅斑(けっせつせいこうはん):下肢部分に紅い斑点が現れ押すと痛い
  7. 壊疽性膿皮症(えそせいのうひしょう):下肢部分に紅い斑点や結節、水泡などができ押すと痛い
  8. その他:膵炎(すいえん)、尿路結石など

一般に腸管の炎症がよくなると合併症の症状も落ち着いてくる傾向にあります。しかし炎症が落ち着いても合併症がよくならない場合はオペ適用となる場合があります。